無くなって気づく歯の大切さ

無くなって気づく歯の大切さ

祖母はまだ10代のころに、後に僕の母となる女の子を出産したとかで、たいへん若くして子供を持ったそうです。当時は昭和の前半で、今とは違い、「10代の母親」=「不義不貞の女」というレッテルを貼られそうな時代だったそうで、祖母も随分と苦労したそうです。
幸い、祖母にはちゃんと祖父という結婚相手がおり、真面目に仕事をこなして堅実に生活をしたいったことも手伝ってか、いつしかそういう周囲からの「色眼鏡」は無くなっていったとのこと。僕の母も、周囲にちゃんと可愛がられて成長していったそうです。

その母も祖母と同じく10代で結局父と籍を入れることになり、やがて僕が生まれてきたのですが、いわゆる「できちゃった結婚」だったために、周囲からは相当お叱りを受けたのだとか。祖母もいくら自分が若くして出産したとはいえ、結婚前に子供が出来たことは流石に怒らないわけには行かず、父と母は周囲に土下座までして結婚まで漕ぎ着けたそうです。

現在僕は14歳で、祖母にも祖父にも大変可愛がってもらっているので、自分の両親を含め、そんな事情があったとはなかなか思えませんが、「人に歴史あり」とは、どうやらこのことのようです。

さて、そんな祖母も今年で55歳を越え、だんだんと体に衰えが出始めた様子です。僕がまだ小学生のころは、元気におせんべいを食べていましたが、今は前歯が入れ歯になったとのことで、基本的に柔らかいものしか口にしません。祖母本人は、「歯もなくなってから大切なことに気付くねぇ」と気楽な模様ですが、周囲は心配しています。
若い頃から苦労したのだから、祖父共々長生きして欲しいと願う、僕なのでした。